2010年01月25日
ユニクロ悪玉論とデフレの「真犯人」-3
「独立自尊」の生活築け
──そういう状況に救いの手は差し伸べられないでしょうか。
林 地域の店でも利潤の出る値段でモノが買え、みなが豊かな暮らしを目指せる時代にするにはどうすればよいのか。やはり福沢諭吉の言う「独立自尊」の生活を築くよう努力する。それしかないのではないでしょうか。
浜 グローバル競争のジャングルの中で生きていかざるを得ない人々は、競争しないわけにはいかない。自分ではジャングルから脱出できないのです。消費者も生きるために安売り競争のジャングルの中へ分け入っていく。この病気は自分では治せない。外からレスキュー隊が入っていかないと。自分がやっている自殺行為をそれと知りながら、でもやめられない。
──ジャングルの外で楽々と暮らしている人もいます。
浜 外にいる人の代表者が政府ですよね。彼らは、ジャングルの中がどうしようもなくなったら、助けに行かなければならない。救助のヘリコプターを用意してジャングルから住人たちを救い出す。だけど、外の人が本来の任務を忘れ、飽食にうつつを抜かし、ヘリを出さない、あるいは途中で落ちてしまう状況も見られます。
「生き方の政権交代」を
政府がしっかりしないと。ただし、出しゃばりすぎはいけません。統制経済になりますからね。そこのバランスをしっかり取りながら、責任を全うしてほしい。へたをすると、デフレが民主主義を殺すことにもなりかねない。デフレが生活者にやさしいなんていう考えは、とんでもなく甘いんです。
──10年代は安売りや節約のパラダイムが変わりますか。
浜 一人ひとりが最安値競争を加速する「グローバル消費者」ではもうダメです。自分がこう動いたら最終的に世の中はこうなってしまうという感受性を持ちたい。つまり、みんなが消費者・生活者でなく市民を目指すこと。自分の心の中で「生き方の政権交代」ができればすごくいい。民主主義を担うのは市民で、その姿は消費者のように身勝手ではないのです。最低価格争いをするグローバル資本主義がグローバル市民主義に変わらなければ、夜明けは来ないかもしれません。
──若者は親の世代のように経済的に豊かではないのに、税や社会保障の負担が重い。お年寄りも将来不安からお金をため込んでいて使わない。これでは「シルバーデフレ」です。
浜 確かに高齢者もモノを買わず、それが不況を加速するようなところがある。でも、いきなりカネを使え、ためたものを吐き出せと言っても、それは酷。彼らを節約行動に駆り立て、追い詰めてきた社会構造や政策のほうに問題がある。
若者が毎日、「蟹工船」的で、「あゝ野麦峠」型の日々を送り、老人たちが自己防衛的にカネを使わない。これはまさに国が滅びていく姿でしょう。グローバル化が我々に強いるユニクロ型デフレやシルバーデフレをどうはねのけるのか。知恵の絞りどころです。
カネより時間の節約を
林 私の世代から上は、景気のいい時代の社会システムに手厚く守られている人も少なくない。友人で、一流商社などを退職した人は、みな悠々自適です。ざっと月何十万という年金をもらうんじゃないかな。
一方の若者は、大卒、新入正社員でも可処分所得はせいぜい10万円台。でも、若者は高齢者には少ない「時間」を武器に、10年後を見据えて精進してほしいですね。
本来なら節約し、大事にすべきものは、金やモノでなく時間なんです。誰にも平等に与えられて有限な時間こそ、節約で大きな可能性を秘めるもの。10円安いものを買うために行列をつくるのは、事の軽重がわかってない。節約が自己目的になっては終わりです。
時間はデフレ経済の大きなプレゼントと思いたい。デフレでライフスタイルを変えて、自分を高めるわけですから。目先の快楽のためでなく、自分に投資する時間をつくる。その努力こそ勝ち組への王道なんです。
──そういう状況に救いの手は差し伸べられないでしょうか。
林 地域の店でも利潤の出る値段でモノが買え、みなが豊かな暮らしを目指せる時代にするにはどうすればよいのか。やはり福沢諭吉の言う「独立自尊」の生活を築くよう努力する。それしかないのではないでしょうか。
浜 グローバル競争のジャングルの中で生きていかざるを得ない人々は、競争しないわけにはいかない。自分ではジャングルから脱出できないのです。消費者も生きるために安売り競争のジャングルの中へ分け入っていく。この病気は自分では治せない。外からレスキュー隊が入っていかないと。自分がやっている自殺行為をそれと知りながら、でもやめられない。
──ジャングルの外で楽々と暮らしている人もいます。
浜 外にいる人の代表者が政府ですよね。彼らは、ジャングルの中がどうしようもなくなったら、助けに行かなければならない。救助のヘリコプターを用意してジャングルから住人たちを救い出す。だけど、外の人が本来の任務を忘れ、飽食にうつつを抜かし、ヘリを出さない、あるいは途中で落ちてしまう状況も見られます。
「生き方の政権交代」を
政府がしっかりしないと。ただし、出しゃばりすぎはいけません。統制経済になりますからね。そこのバランスをしっかり取りながら、責任を全うしてほしい。へたをすると、デフレが民主主義を殺すことにもなりかねない。デフレが生活者にやさしいなんていう考えは、とんでもなく甘いんです。
──10年代は安売りや節約のパラダイムが変わりますか。
浜 一人ひとりが最安値競争を加速する「グローバル消費者」ではもうダメです。自分がこう動いたら最終的に世の中はこうなってしまうという感受性を持ちたい。つまり、みんなが消費者・生活者でなく市民を目指すこと。自分の心の中で「生き方の政権交代」ができればすごくいい。民主主義を担うのは市民で、その姿は消費者のように身勝手ではないのです。最低価格争いをするグローバル資本主義がグローバル市民主義に変わらなければ、夜明けは来ないかもしれません。
──若者は親の世代のように経済的に豊かではないのに、税や社会保障の負担が重い。お年寄りも将来不安からお金をため込んでいて使わない。これでは「シルバーデフレ」です。
浜 確かに高齢者もモノを買わず、それが不況を加速するようなところがある。でも、いきなりカネを使え、ためたものを吐き出せと言っても、それは酷。彼らを節約行動に駆り立て、追い詰めてきた社会構造や政策のほうに問題がある。
若者が毎日、「蟹工船」的で、「あゝ野麦峠」型の日々を送り、老人たちが自己防衛的にカネを使わない。これはまさに国が滅びていく姿でしょう。グローバル化が我々に強いるユニクロ型デフレやシルバーデフレをどうはねのけるのか。知恵の絞りどころです。
カネより時間の節約を
林 私の世代から上は、景気のいい時代の社会システムに手厚く守られている人も少なくない。友人で、一流商社などを退職した人は、みな悠々自適です。ざっと月何十万という年金をもらうんじゃないかな。
一方の若者は、大卒、新入正社員でも可処分所得はせいぜい10万円台。でも、若者は高齢者には少ない「時間」を武器に、10年後を見据えて精進してほしいですね。
本来なら節約し、大事にすべきものは、金やモノでなく時間なんです。誰にも平等に与えられて有限な時間こそ、節約で大きな可能性を秘めるもの。10円安いものを買うために行列をつくるのは、事の軽重がわかってない。節約が自己目的になっては終わりです。
時間はデフレ経済の大きなプレゼントと思いたい。デフレでライフスタイルを変えて、自分を高めるわけですから。目先の快楽のためでなく、自分に投資する時間をつくる。その努力こそ勝ち組への王道なんです。


